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The Japanese Film -Online- Festival 2021


昨日から"オンライン日本映画祭 in ドイツ"が始まっています。
2021年2月26日~3月7日まで。
合計30本の日本映画が、1作品24時間無料配信されます!(ドイツ国内のみ)


ドイツではケルン日本文化会館 (The Japan Foundation) 主催ですが、ドイツ以外でも違う日程で、全20か国で実施されていて、素晴らしいことだと思います。音声は日本語ですが、字幕は英語、その他別言語も豊富です。

昨日早速、八代健志ストップモーションアニメーション「ごん -GON, THE LITTLE FOX-」を観て、その世界観にどっぷりハマりました。この方のアニメーション作品は他に3作も紹介されます。この10日間は、ますます外出しなさそうです。


Seit gestern findet Das "ONLINE" Japanese Film Festival statt!
Von 26.02 bis 07.03. 2021 kann jeder in Deutschland sich die Filme anschauen. Insgesamt 30 Filme - klassische, moderne, Animation, usw... die Sprache ist japanisch aber die Untertitel sind Englisch, Deutsch & verschiedene Sprachen. Viel Spaß!!!

# by mikimics | 2021-02-27 17:09 | information

2020カーニバルの娘の仮装

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こちらでは毎年2~3月頃にカーニバルがあり、今年は何の仮装をするか、カーニバルが近づくと皆色々趣向を凝らして考える。現地校小学3年生、8歳の娘は、今年は「Sushi 寿司」の仮装をした。


カーニバルの数ヶ月前からずっと、このアイディアにしたいと彼女は言っていた。
1年生の時は、年上のお友達のお下がりのドレスで「ラプンツェル」、2年生の時は友達から借りたマントと耳を着けて「コウモリ」、と借り物づくしで大して気合は入っていなかった。でも学内で仮装コンテストなるものがあるそうで、各クラス代表が選出され、最後は全校生徒の中から学年ごとにチャンピオンが選ばれる。今年は是非それを狙いたいとやる気満々だった。


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娘と一緒に考えて、上下白い服を着て、背中に鮭のクッションを背負い、フェルトで海苔のベルトを作り、ワサビ色の帽子を被り、醤油びんをぶら下げるスタイルにした。海苔ベルトには割り箸も忍ばせて。鮭はアクリル絵の具で色を塗り、帽子は既成品の先を縫ってとがらせてワサビらしさを求めた。


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半分日本人の私が「Sushi」になれば、ウケるの間違いなし!という確信があったのだろう。
また褐色の肌を持つ娘の親友の女の子は「コカ・コーラ」をテーマにしたオリジナルの仮装で臨んだそうで、子供達も3年生にもなると、自分がこれをやったら絶対に皆にウケる、これは私にしかできない、というような客観的自己分析が出来るようになるものなのだなと感心した。
そして下手をするとコンプレックスにもなり得る自分達の外見的特徴を、あえて前面に出して体を張ってウケを狙っていく彼女達の姿は、とてもたくましく頼もしく感じた。


そして見事に、クラスの女子代表→3年生学年チャンピオンに選ばれて、メダルを2つもらって帰ってきた。8歳の頃の学校での印象的な記憶は、私もいくつか残っている。この輝かしい思い出はきっと彼女の中にずっと生き続けるだろう。


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カーニバルはいつも木曜日から始まり、5日間続き翌週月曜日にパレードがありフィナーレを迎える。学校も大抵の職場も金曜日と月曜日がお休みになるので、5日間連日カーニバル週間になり、この無礼講のお祭り騒ぎが時々外国人の私は疲れるのだけれど、いつも終わった後は結局は良い思い出になる。冒頭の画像は土曜日に学校の団体から参加したキンダーパレードの様子。この仮装も子供達と一緒に作った。

月曜日のRosenmontagszug(ローゼンモンタークスツーク)というパレードの数々の山車も、旬の話題や政治的な問題がテーマのものが多く、毎年なかなか見応えがあり面白い。
今年のデュッセルドルフの山車の一部を少しこちらで紹介します。


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コロナウィルス VS カーニバルウィルス

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アメリカ・イラン関係

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Brexit後のイギリスとスコットランド

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オーストラリア森林火災

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Fridays For Future

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2020年ベートーベン生誕250周年









# by mikimics | 2020-03-05 19:13 | life with kids

漢字を習うこと

「アジア人の子供は、ヨーロッパの子供より、描写能力が優れていると思う。それは君たちの言葉と関係があるんじゃないかな?だって『漢字』ってすごくクリエイティブで絵画的な文字じゃない。そういう言葉を子供の頃から習うのは、絵を描くことにも影響すると思うよ。」

この言葉は、家の近くにある、お皿の絵付けができるアトリエの主催者に初めて会った時に言われた。その工房で出来る作品は子供達に大好評で、年に一度私も我が家の教室の生徒達を連れて、絵付け体験をさせてもらっている。
アトリエのご主人は、普段はいつもドイツ人の子供達を相手にしているので、たまに来る外国人の子供達の作品と比べて、そう感じたらしい。私は日本人として生まれて、自動的に漢字を学習する世界で育ったので、そんなことを考えたことはなかった。
こちらに住んでいて、時々「私の名前、漢字で書いて。」と頼まれることもあるし、漢字のタトゥーを入れている人も多いし、アルファベットの言語が母国語の人達は、「漢字」に対してエキゾチックで漠然と憧れに似た感情を持ってることが多い気がする。


娘は昨年4月に日本人学校補習校に入学し、文部科学省から配布される教科書を用いて、日本の小学生と同じ内容の国語の勉強を始めた。普通の日本人の子達が月曜日~金曜日で習う内容を、週一回土曜日の午後4時間だけで詰め込みして習うスピード。平日はドイツ現地校に通うので、ドイツ語と日本語の宿題(加えて算数やピアノも)が日課の毎日。両立は親子共に簡単なことではない。2学期からは毎週新しい漢字5文字を覚えなくてはならず、アルファベットとの違いに、改めて私も難しさを感じた。

例えば「学」という字を書く時、上の部分(ツかんむり)をマスの中央くらいに書いてしまうと、下の「子」の字が詰まってしまってバランスの悪い文字になってしまう。でも漢字経験の浅い小学1年生の子供には、そんな予想は出来ない。母は消しゴムで何度も消して、「次に来る部分のことを考えて、必要な場所を空けておけるように、上の部分はあまり大きくなりすぎないようにしようね。」と促すことになる。それと比べると、アルファベットの文字は漢字ほど複雑な作りをしていないから、そんな気遣いは必要ない。例えばI、T、O、Xなんて、3歳児でも容易に書ける形だ。もちろん英語もドイツ語も単語の綴りを覚える問題があり、それはまた日本語にはない難しさではあるけれど、文字自体は感情に任せて気兼ねなくストレートに書くのに向いているかも知れない。

大げさかも知れないけれど、漢字を習うことで、観察力、予測力、構成力、バランス感覚、そして忍耐力なども養えるかも知れないと思ったりする。アルファベットと比べると、一拍おいて考える気遣いが必要で、とめ、はね、はらいなど、決まりごとが多い漢字の練習は、まだ自由に書きたい7~8歳の子供には時にストレスになるのは理解できる。それが普通の日本人児童の場合、義務教育では9年間、高校まで進んだら12年間、合計約2,000字を勉強する訳で、その膨大な数を学ぶのにかかる時間を考えると、あながち些細なこととは思えなくなって来る。日本人(または漢字を使う国民)のメンタリティーとの関係は否定できないのではと思う。

この春から娘は補習校の2年生になり、同時に漢字がぐっと難しくなり、習う量も倍に増えた。親の私も驚いたので、本人は尚のことで圧倒されてしまうのは理解できる。そして時々私も、こんなに頑張っても娘が大人になる頃は、今よりもっと世界はIT社会になっていて、きれいに文字を書けることはそれほど重要でなくなるかも知れないと想像したり、矛盾に似た気持ちを感じる瞬間もある。


でも漢字には、一文字一文字にストーリーがある。「木」が二つで「林」、三つで「森」になるように、「水」の「皮」と書いて「波」となるように、「忙」という字は「心」が「亡」くなると書くように、一つの文字の中に、なるほどと感じるふくらみや豊かな世界がある。昔の人達の知恵や思考が凝縮されている。字一つで意味が想像できる漢字の利点は、きっと今後の彼女の人生に何らかの形で役立つと信じている。

先日、娘は「日本語は漢字が細かくて、書くのが難しい。でもドイツ語は言葉を言う(発音する)のが難しい気がする。」と彼女なりに分析していた。表音文字(アルファベット)と表意文字(漢字)という、全く種類の違う言語を同時進行で勉強するということ - 日々異文化を平行して学ぶことで、複眼的、多面的に物事を観察、比較分析し、理解する力を少しずつ身に付けているのかも知れない。



# by mikimics | 2019-05-13 19:31 | language

日本の小学校体験

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もう今は秋になってしまったが、先日の夏休み、私達は1ヶ月間日本滞在をして、娘も実家近所の公立小学校で、短期体験をさせていただいた。


ドイツの学校は毎年夏休み開始日が少しずつ変わる。それは休暇中の渋滞緩和策のため、州によって夏休みの日程が少しずつずらされているのが理由だが(これはよくできたシステムだと思う)、今年、私達の住む州は日本の小学校より1週間早く夏休みになることが分かっていたので、学期が終了した翌日にすぐ日本に飛んで、翌週の4日間、実家そばの小学校1年生のクラスに受け入れていただいた

日本に住む方達も皆口をそろえて「今年の暑さは異常だった」と話す2018年の夏、私も実に11年ぶりの真夏の日本、娘にとっては初めて体験する暑さだったけれど、4日間無事に楽しく通学することが出来た。


日本に着いて2日目の夜、明日から学校に通うという日の晩、娘は少しナーバスになっていた。毎年里帰りのたびに日本の幼稚園にも3年通って、この感覚には慣れているはずなのに、1年ぶり、そして今回は小学校ということで緊張しているようだった。


「だって、みんな日本語しか話さないんでしょう?大丈夫かな。」

「でもさ、あなたの好きな手遊び歌の『せっせっせーのよいよいよい』」だって日本の幼稚園で教わったんじゃない。」

「あぁ、そうだったね。」

「楽しいこともいっぱいあったでしょう?」

「うん。そうだ。跳び箱もやったね。フラフープも初めて日本の幼稚園でやった。それからウサギも飼ってたね。」


布団の中で話していたら、色々と思い出して来たようで、少し彼女の気持ちもほぐれて来たようだった。ドイツでの小学校生活も毎日忙しく、表面的には日本での体験を忘れがちだが、彼女の中にはしっかり根付いているんだなと改めて嬉しく感じた。




登校初日は早朝8時前からいきなり気温35度以上の暑さ、学校まで10分歩くだけで全身汗だく、この顔から汗が噴出す感覚は何年ぶりだろう、娘ともただ「あついね~」としか会話が出来ない感じで学校に着くと、事前にずっと連絡させていただいていた副校長先生が校門前で迎えて下さった。


1日目の授業は偶然1時間目から水泳授業。初日から突然のことなので、先生方からは自由参加で良いと言われていて、まだドイツの学校でも水泳授業を経験したことない娘は迷っていたため、参加不参加どちらでも良い準備をしていったが、先生とお会いして「どっちにする?」と改めて聞かれた時に、娘は少し考えて「じゃぁ、やってみる。」と答えた。その時の決意をした彼女の顔は少したくましく見えて、一つ成長を感じた瞬間だった。


結果的には、1年生でまだ泳げない子もいるからか、水遊び的な内容でとても楽しかったようで、水泳は今回1回だけと聞いて残念がるほどだった。学校設置の屋外プールも、夏が日本ほど暑くならないドイツにはないものなので良い経験になっただろうし、また気温35度の炎天下の中、不参加でプールサイドで2時間見学する方が酷なのではと親としては思っていたので、参加して本当に正解だったと思う。


初日は彼女なりにたくさん初体験をして、期待以上に饒舌に色々話してくれた。

うんていを何度もしていたら、手に出来た豆がつぶれ皮が剥けたので、お友達が保健室に連れて行ってくれ、優しい先生に絆創膏を貼ってもらったこと(ドイツの学校には保健室がないので新鮮)、ドイツでいつも使っている筆箱を見てみんなが驚いていたこと、そして「やっぱりドイツってすごいね」と誰かに言われたこと(何を根拠にすごいのか分からない所がさすが1年生でかわいい)、給食がとても美味しかったこと、算数では手を挙げて答えを言ったこと、挙手のやり方が、ドイツと日本で違うこと(ドイツは人差し指を立たせる、日本は5本指をそろえる)、などなど。。。



そして翌日
には少し仲良くなった女の子から、こんな嬉しいお手紙をもらって来た。こんな風にすぐに友達になれる純真な子供達の友情ってすてきだなと思った。大人の世界ではあり得ないこと。この年頃に学校体験をする意義は十分にあると感じた。

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2日目以降も、クラスの皆でどういう遊びをしたら娘が楽しめるか考えてくれたり3日目にはスモールプレゼントを各自娘へ、そして娘もクラスへ用意することに決めて、最終日にはそれぞれ折り紙や手紙を交換し合い、温かい気持ちで体験を終えることが出来た。


娘は私が予想していたよりも、言葉を理解し学校生活を楽しめたようだった。一輪車に挑戦してみたこと、清掃時間に初めて床の雑巾がけをしたこと、今日の給食は少し辛かったこと、給食当番は白衣、帽子、マスクを身に付けて、みんなに食事を分けてくれる、楽しそうで自分もやりたかったこと、など毎日話してくれた。以前「日本語のひきだし」という投稿を書いた時があったが、ドイツにいる時はドイツ語の方が話すのが楽で私にもドイツ語で返してくることが多いため、表面的には日本語を忘れているように見えても、いざ日本語の世界に放り込まれて、話さないといけない環境に置かれれば、脳内の「日本語ひきだし」が瞬時に開いて、自然に言葉が出て来るようだった。



そして私達は色んなことが幸運だったと思う。実家から一番近いこの小学校は、横浜市なのに珍しく1学年1クラスしかない少人数制のアットホームな学校で(両隣の学区は全児童600人以上のマンモス校なので、本当に偶然)、先生方も生徒達も皆とても親切だった。また娘は春生まれで日本の学年では月齢が早い方で、ドイツの小学校で1年生を終了した状態で日本の小学校1年生1学期に入れてもらったので、算数の内容なども彼女にはずっと易しかったらしく、自信を持って参加できたようだった。


た東京都の場合は、娘と同じようなダブルの子供が一時帰国で学校体験を希望するケースがずっと多いらしく、通学自体を断られたり、問題回避のために水泳などの特別授業は参加不可という話も聞いたので、隣の神奈川県でも随分状況が変わるのだなと思った。今後も、娘の意欲が続き、学校も受け入れて下さるのなら、可能な限り毎年体験させてもらえたらと願っている。


日本に行く前は心配だった猛暑は、確かに暑くて大変なこともあった。でも同時に夏ならではの良いことを沢山忘れていた自分にも気が付いた。通学した小学校の校庭で開催された町内会の夏祭りに娘に浴衣を着せて出掛け、ヨーヨー釣りや金魚すくい(本物ではなかったけど)もとても楽しんで、次の日もどうしても行きたいと言い張るので連日出掛けた。花火も各地で沢山見られて、ドイツに戻って来てから書いた絵日記にはまず花火のことを書いていたし、陶芸教室で風鈴を作ったり、行く先々でカキ氷を食べたり、日本の夏でしかできないことを色々経験できた。




里帰り中に人と会う用事は大抵都内だったので、娘にも「こども
suica」を買って、よく一緒に電車に乗った。同時に駅のエスカレーターも毎日のように乗ったので、人は左側に立ち、右側は歩行者のために空けておくルールも自然に覚えて実行していた。

そしてドイツに戻って来て間もなく、一緒にデパートに買い物に行きエスカレーターに乗った時、娘が最初に口にした言葉はこうだった。


「みんなバラバラだね。」


これは名言だと思った。そう、ここは個人主義、多様社会のドイツ。デパート内で日本の駅よりずっと人が少ないのもあったけれど、エスカレーターに乗る人達は、一人で中央に立つ人、おしゃべりしながら二人並んで立っている人達、疲れて段に座っている子供など、本当に様々だった。


ドイツにずっと住んでいたらなんでもない光景も新鮮に感じる体験を私達は毎年しているのだと改めて思った。私達は毎年里帰りをするたびに、二つの国の違い、良さを再確認し、自然と比較している。

そしてその目を娘ももう自然に身に付け始めている。小さい頃からのこの体験を積み重ねて、世界各地の多様な社会、異文化の違いを肯定的に受け入れ、それぞれの良さを尊重できる人間になって欲しいと心から思う。


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# by mikimics | 2018-10-15 18:19 | life with kids

書き初め New year's first calligraphy

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2018年最初の小学校学童アートクラスでは、ドイツの子供達と「書き初め」を行いました。
日本では年始に新鮮な気持ちを持って書道をする話をして、皆にとっては初めて、半紙に墨で漢字を書いてもらいました。
We wrote new year's first calligraphyat my art class in the elementary school.
In Japan we write often calligraphies with fresh feeling at the beginning of the new year. It was totally first experience for the German children but they worked and enjoyed very well!


昨年夏、この学童の仕事を引き受けることになった際に、学校事務の方と契約書を交わした時、必要事項を日本語でメモしていた私を見て、秘書の方に「あなた達の書くそういう文字って、私達にはとてもエキゾチックで魅力的に映るのよ。この学校は国際的な出自を持っている子供達がとても多いし、彼らの将来の可能性を拡げるためにも、ドイツ語以外の文字や言葉のことなども子供達に教えてあげてもらえないかしら。」と言われたのが、今回の課題のアイディアの発端でした。私が日本人であることを初めて前面に出した課題なので、いつもよりさらに準備に時間をかけました。


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子供達が興味を持ちそうな漢字と彼らの名前をカタカナで書いた自作お手本を用意。何十年ぶり?かに書の筆を持ちましたが、久々で楽しい時間。インターネットで見つけた美しいお手本を参考にしながら。

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漢字の成り立ち説明画も準備。皆これは興味を持って見てくれました。



各自好きなお手本を自由に選んでスタート。お手本にないもので書きたい意味の文字があれば、今書いてあげるよ、と子供に伝えると、「竜」、「馬」、「鷹」、「犬」などのリクエストが。やはり動物好きな子多いんだなと実感。「大」で終わると「groß(大きい)」という意味だけど、そこに点が付くと「der Hund(犬)」になるのよ、面白いでしょ?などと説明しながら、彼らの目の前で書いてあげました。そして皆よく書けました!


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初めての外国人子供向け書き初め指導経験の感想は、とても面白かったですが、なかなかカオスになり結構疲れました… 初めて見るものを使って、初めて体験する子供達に教えるというのは、かなり言葉と神経を使う作業だなと改めて実感。ドイツの小学校は4年制なので、今回も小学1~4年生までの子供達が対象でしたが、特に低学年はとても興味を持つ子と、そうでもない子と、普段の課題よりもタイプが二つに分かれるかなと思いました。個人差はありますが、純粋ドイツ人の子供達より、移民や両親の国籍が違うような国際家庭の子達の方が、異文化に抵抗がないからか割と意欲的だった気がします。

ただ、大人ウケは大変良い課題でした。子供を迎えに来た保護者の方達は「あら、日本のカリグラフィーしてるわよ、クール!」と興味津々で、「日本では新年最初に今年の抱負などを書くんですよ。」と説明するとますます感心してくれました。考えると私も習字を習ったのは小学5年生からで、それ以前も私に習わせたかった母に何度か勧められましたが、特にやりたくありませんでした。あくまで個人的意見ですが、「絵」はどんなに小さな子でも描きたい欲求があることが多いけれど、「書道」は大人になるほど良いと思うものかも知れません。そしてそういう大人の影響を受けて、子供も年齢が上がるほど理解できるものかも知れないと思いました。


書き初めをした翌日に、子供達の作品を整理していた時、偶然「犬」をリクエストした4年生の女の子に会ったので、「これ、なんていう意味が覚えてる?」と聞くと「Hund」と嬉しそうに答えてくれました。また翌週は全然違う課題だったのに、別の4年生の男の子はカタカナでサインをして、「もう覚えたよ。」と言っていました。
思えば私も父の仕事で中近東のクウェイトに住んで、当地日本人学校でアラビア語の授業を受けたのも小学6年生の時。アラビア語での自分の名前は今でもしっかり書けるし、その時の先生のこともよく覚えています。そんな風に何かの形で、書き初めの思い出が彼らの中に残ってくれたら、とても嬉しいことだと思います。


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# by mikimics | 2018-01-22 19:37 | art class