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„Munch : Van Gogh” Van Gogh Museum, Amsterdam

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随分前のことになってしまったが、昨年暮れにAmsterdam アムステルダムで観た展覧会について。
アムステルダムにはデュッセルドルフから車で3時間ほどなのに、機会がなくて今回ドイツに住んで初めて行った。私が前回訪れたのは学生の時で、正に20年ぶりの滞在。オランダの町並みはドイツとはまた違った魅力があり、とても楽しい3日間だった。

企画展„Munch : Van Gogh” を観にVan Gogh Museumへ。Edvard Munck エドヴァルド・ムンクの作品を欧州各地から集め、ゴッホの作品と一緒に展示するというもの。ゴッホ美術館は大変混むな…と思ったが、なかなか観られない企画だと感じたので早起きして向かった。20年前には本館の建物しかなかったけれど、企画展は1999年に黒川紀章設計でオープンした別館での展示で、楕円形ガラス張りのエントランスは明るく美しかった。別館の最上階はSompo Japan Nipponkoa Galleryという名前が付いていて、この美術館の運営に日本人もかなり関係しているんだなと思った。


会場に入るとまずムンクとゴッホのそれぞれの自画像と、壁に貼られたムンクの言葉が目に入った。
„During his short life, Van Gogh did not allow his flame to go out. Fire and embers were his brusches. I have thought, and wished, that I would not let my flame go out, and with a burning brush paint until the end.”
ヴァン・ゴッホは彼の短い人生の間で、情熱を絶やすことを許さなかった。情熱の炎と残り火が彼の画法だった。私は自分の熱情を失わせることなく最期の時まで燃えるような筆で絵を描きたいと思い願っている。

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そして全体にわたって同じように、似たテーマの作品や制作年が同時期のものなどを並べて展示しており、予想以上に内容の濃い、作品の質量共にすばらしい展覧会だった。
1853年生まれのオランダ人ゴッホ、1863年生まれのノルウェー人ムンクは、1880年代後半に夢を抱いてパリにやって来る。同じ頃に芸術の都に来て、同じような場所に通い、交友関係も似ていたのに、生前出会うことはなかった二人。
これまで作風も色合いも似た印象はなかったけれど、並べて展示しても全然違和感のない見応えあるコラボレーションになっていて、キュレーターの力を感じた。「叫び」で有名なムンクの絵は、死、孤独、嫉妬など人間の暗部をテーマにしたものが多いけれど、色彩は鮮やかでハッとするような美しい配色もよくあり認識を新たにした。色彩表現もきれいだったけれど、個人的には白と黒のコントラストで上手く構成した木版画もとても気に入った。
またゴッホもアルルの風景など、戸外で描かれた風景画が多いが、ムンクもノルウェーの神秘的で謎めいた雪景色などよく描いていて印象的だった。企画展の後、本館のゴッホ常設展も観たが、37歳でピストル自殺した彼の人生で、現存する膨大な量の作品は1880年~1890年のたった10年間で描かれたものだったと改めて知り驚いた。唯一の理解者弟テオに宛てた、びっしりと細かく美しい字で書かれた手紙には、作品の構想スケッチもよく描かれていて魅力があり、観ていて飽きなかった。


~ゴッホ美術館の予約システムについて(2015年末状況)~
混雑必至の美術館なので、Eチケット予約するつもりだったが、私がチェックした時は前日のためか美術館の公式HPからはもう予約不可だった。ただ世界中の旅行代理店が発行しているバウチャーは前日でも申し込めたが、英語、ドイツ語、日本語、どれも情報があり過ぎて何を信用したらいいのか分からなかったので、私は何も買わずに開館時刻に美術館に行った。すると入場者は3種類の列に分かれて待つシステムになっていて(Blue lane:公式HPにて予約済グループ Yellow lane:代理店バウチャー持参グループ Green lane:全く予約なしグループ)、公式予約組は直接別館入り口へほとんど待たずに通され、それ以外の2グループは同じチケット発券所へ列に並んで待つ仕組み。そしてバウチャー組を7割先に通して、予約なし組みを3割通すというサイクルで進み、私は結局40分程待って入場できた。クリスマス休暇のシーズンでこうなので、夏の繁忙期はどのくらいか想像できない。時間を無駄にしたくない方は、バウチャーでもどんな形でも良いので、オンライン予約をしていくことをお勧めします。


この美術館は、町の中心のMuseumplein(ミュージアム広場)に面していて、2013年に10年ぶりに再オープンされた、17世紀オランダ絵画コレクションで有名なRijksmuseum アムステルダム国立美術館や、近現代美術コレクションのStederijk Museum アムステルダム市立美術館も隣接している。前日に行った国立美術館もかなり混んでいたけれど、好きなフェルメールやフランス・ハルスが観られて満足。この時期、国立美術館裏に簡易スケートリンクも設置されていて、クリスマスの良い雰囲気を楽しめた。

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アムステルダムの街並みはエレガントで、戦争で破壊されなかったため古い建物も多く残っており、ドイツとはまた違った建築様式が美しかった。ブロックごとに運河が現れる風景は昼も夜も絵になって、歩いてもとても楽しかった。インターナショナルな町で人は普通に英語を話し、そして街中は時々フッとマリファナの香りが漂って来たりして、、、やはりドイツとは違うなと思った。
ヨーロッパの多様性は本当にはかり知れなくて、お隣の国でもこんなに異なり、そしてとても気軽に来られるのだから、もっと色々観に回らねばと改めて感じた年末だった。

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by mikimics | 2016-02-29 20:09 | museum | Comments(2)
Commented by desire_san at 2016-03-20 07:54
こんにちは。
渡氏も昨年アムステルダムに行きました。アムステルダム国立美術館でみたレンブラントの「夜景」と゜フェルメールの作品の魅力に圧倒されました。
今年幸いにも『ラフェルメールとレンブラント』展が北田野で見てきました。今まで見たことのなかったフェルメールやレンブラントの傑作やヤン・ステーンやデ・ホーホなどハウス17世紀オランダの絵画をたくさん見られたのもよかったと思いました。

私はこの展覧会の目玉といえるフェルメールの『窓辺で水差しを持つ女』とレンブラントの『ベローナ』について少し掘り下げて、魅力の本質菅どこにあるのかを考察してみました、読んでいただけると嬉しいです。ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
Commented by mikimics at 2016-03-25 23:09
> desire_sanさま
私のブログをご覧いただき、コメントも、また先日はトラックバック申請もどうもありがとうございました。私はあまりマメにチェックしている方ではないので、お返事が遅くなり失礼いたしました。
今東京で「フェルメールとレンブラント展」が開催されているのですね。ブログを拝見して、そちらにコメントさせていただきます。