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Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam

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南イングランド旅行からの帰り、ヨーロッパ最大の港町、オランダのRotterdam ロッテルダムに立ち寄った。ヨーロッパの町にしては珍しく近代的な高層ビルが立ち並び、道行く人の顔ぶれもとてもインターナショナル。モロッコ、トルコ、南米からの移民者なども多いそうで、町の人口の半分以上が外国人で、人は皆普通に英語を話す。(イギリス人の鼻にかかったクイーンズ・イングリッシュより、オランダ人の英語の方が私にはずっと聞き取りやすかった。笑)

ここでぜひ訪れてみたかった美術館、Museum Boijmans Van Beuningen ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館を巡ることができた。
長くてなかなか覚えにくい名前の美術館だが、これはもともとボイマンスとヴァン・ベーニンゲンという二人のコレクターの膨大な蒐集品が基盤となっているもので、現在は126,000点もの所蔵作品があり、中世~近代~現代にかけてすべてワールドクラスのコレクション。絵画が主だけれど、デザインのセクション、彫刻・インスタレーションもありかなり盛り沢山なので、平面作品を中心に急ぎ足で回った。
中に入ると正面入り口にあるワードローブがとても粋でテンションが上がる。最初展示されているインスタレーション作品かと思ったら、コインを入れて自分でコートをかけることができ、自分の上着も作品の一部になるという仕組み。

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Studio Wieki Somers „Merry-Go-Round Coat Rack” 2008
(後ろの壁にあるのはコインロッカー。同じスタイル・素材で作られていて中が見えるようになっている。)


古いものから年代別に観ることにして中世の部屋からスタート。ボッシュ、ヴァン・アイクなど大学の西洋美術史で学んだ作品が目白押し。この時代のものはあまり大作はないので、部屋もそれに合わせて小さく作られていて回りやすかった。そして初めてPeter Bruegel ブリューゲルの„The Tower of Babel バベルの塔”(1565, 小バージョン)を観た。文字通り前に立ったら動けなくなる傑作。450年前に描かれたとは思えないほどの美しい発色で、塔の上に何千人もの人物が様々な動きで描かれているけれど、これが本当に蟻サイズで驚いた。 聖書にある「バベルの塔」は人間の行いが神の怒りにふれた逸話 - 一度見たら忘れられない構図、圧倒的な描写力と重厚な表現で、神からの視点でちっぽけな人間が描かれているように感じた。

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そしてレンブラント、ルーベンス、印象派、表現主義、ゴッホ、ピカソ、モンドリアンなど近代のコレクションが続々続く。私には特にダリとマグリットの部屋が印象深かった。

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Salvador Dalí „A Couple with Their Heads Full of Clouds” 1936

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Maurizio Cattelan „Untitled (Manhole)” 2001
(近代絵画の部屋にこんな彫刻インスタレーションも。この男性は全身像で、下の階から脚立に乗って床を抜いて出て来ている。)


日本人としては草間彌生ルームも見逃す訳には行かない。これは一見目立たない一角にあり、白い地味な扉を明けると外からは全く想像のつかないきらびやかな赤いドットの世界が広がっていて心が躍った。今回は夫&娘と別行動で来たのだが、この部屋はぜひ娘にも見せたかったと思った。

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Yayoi Kusama „Infinity Mirror Room - Phalli's Field” 1965

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美術館中庭の様子


デザインコレクションは割愛し絵画平面作品を中心に観たが、見応えがあり過ぎてかなり満腹、放心状態で美術館を出る。ここはMuseumparkという他の美術館や博物館も集めた緑豊かな公園の中にありとても良い環境なので、次回また来る機会があったら今度は公園で過ごす時間も計画しようと思った。

ロッテルダムは戦争でかなり町が破壊されたため古い建物がほとんどなく、オランダ特有のモダンな幾何学的建築が多くあり、観光としては新鮮だった。全体に無国籍な印象で、町の中心に唯一戦火を免れた中世の建築、Grote St.Laurenskerk 聖ローレンス教会(ここの内装がまたモダンでとても印象的!)もあれば、少し離れた所には立派なモスクもあり、新しい21世紀型のヨーロッパの都市モデルを見せてもらったようで、一泊だけだったけれどとても面白い滞在だった。


以下2つ、実際に観て感動した建築。
1つ目は1980年代のモダン建築、Piet Blomの„Kubuswonung”。斜め45度に建てられたキュービックの中は3階建ての住居になっていて、中も見学できるが想像していたより広くてよく作られていた。
2つ目はちょうど1年前にオープンされた、オランダの建築家集団MVRDVによる„Markthal” 屋内食品市場。中には高級食材店やレストランが立ち並び、ドーム部分は200戸以上ものアパートが入っていてとにかくクールで、そのスケールには圧倒される。

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by mikimics | 2015-10-23 18:20 | museum | Comments(0)