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トチノキ・マロニエ・カスターニャ

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誰かの文章で「ヨーロッパは木の花が面白い」というのを読んだことがある。こちらに住んでいて春になると、この言葉を時々思い出す。ドイツは冬が長く寒く、ややもすると冬季鬱のような精神状態になりがちな暗さがあるのだが、4月になると突然春の息吹が爆発するような勢いでやって来る。これは何年住んでも毎回新鮮で驚かされる。日本でも桜が咲き誇り春の訪れを感じさせるが、また少し感じが違う。こちらは街に緑が多いせいか、木々が芽吹き一気に新緑にあふれ、日光が好きなヨーロッパ人は急に肌を出し薄着になり、カフェやレストランも外の席に人があふれ、良い季節が来たなと街に出るだけでわくわくする。

こちらに住んでから知った美しい花が咲く木に„トチノキ”がある。フランス語では„Marronnier マロニエ”と言う。トチノキもマロニエも言葉はずっと前から知っていたが、この木がそうだったということはドイツに来て初めて知った。ちなみにドイツ語では„Kastanien カスターニャ”(正確には「クリ属」という意味)と言われ、私は3つの名前の中では、カスターニャが一番言葉の響きが好きである。とてもとても大きな木で、手のひらのような形の5~6枚の大きな葉を付け、白やピンクの豪華な花を咲かせる。私がドイツに転居してきた6年前の春、ちょうど我が家のリビングからこのカスターニャが良く見え、花が満開でとても美しかった。そしてこの木は私にとってドイツでの思い出の木になるだろうと直感した。(家の居間からの写真。右側の白い花の木がトチノキ)

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5月頃たわわに花が咲き、夏の間は大きな緑の葉が豊かに茂っている、秋には黄葉し、栗と見た目全く変わらない実を付けるが食用ではない。その時期はどこの公園にもトチノキの実がころころ道に落ちている。栗と思って拾い栗ご飯を炊いたかわいい日本人の友人もいた。冬前に葉が枯れ落ち長い冬を経て、3月終わりから4月にかけて枯れ枝状態だった木が芽吹き、小さなかわいらしい手のような葉がつく。その黄緑色の鮮やかな葉はみるみる大きくなり色も濃くなり、そしていつの間にかつぼみがたくさんつき、また花が咲き始める。(再び居間から撮ったもの。秋と冬の様子)

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毎年春先に芽吹き小さな葉がつき始めた頃のカスターニャを眺めるのが好きで、ずっと描きたいと思っていたのだが、その期間は1~2週間と短くいつも機会を逃していた。でも今年ようやくスケッチをすることができた。この写生を基にどう本画に展開していくか、現在楽しく試行錯誤中である。

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by mikimics | 2013-05-08 16:29 | work | Comments(0)