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縦割り保育

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「ドイツの幼稚園の先生達はよく座っている」
これが私が娘の幼稚園で感じた第一印象だった。幼稚園の先生といったら、一日子供達のお世話続きで、座る暇もないくらい動き回っているものだと思うが、日本の先生達と比べると随分違う。
もちろん子供達の観察はしていて、危険なことやもめごとなど何かあった場合はすぐに動くけれど、何もない時はよくどっかりと座っていて、子供達と接しながら優雅にお茶を飲んでいることもある。
国民性や働き方の違いもあるだろうけれど、日本の幼稚園しか知らなかった私にとっては結構驚きだった。

でもしばらくしてこれはもしかしたら、「縦割り保育」と関係する所も大きいのではないかと思うようになった。
ドイツの幼稚園は基本縦割りで、同じクラスに3歳から6歳の子供達が混在している。この頃の月齢の差は大きく、3歳と6歳では身体的にも精神的にもできることが随分違う。先生が直接手を貸さなくても、年上の子達が自然に年下の子達を助け、同時に年下の子達も年上の子達から多くを学ぶというナチュラルなサイクルが生まれる。そして先生もあまり身体を動かさずに言葉でそう促すこともできる。年齢別に分けた横割り保育で、3~4歳児だけの年少組と5~6歳児の年長組では先生方の動き方や身体的疲労度もかなり違うと思う。

私も自宅で絵画教室をしている時、毎回5~6名の子供達を相手にしているのだが、例えば参加者全員4歳児の場合と、その中にひとり5歳以上の子がいるのとでは、こちらの接し方も少し変わる。4歳はまだ横について手取り足取り教えてあげなければいけない所があるが、5歳になると、もちろん個人差はあるけれど、言葉で伝えれば大抵理解して自立してやってくれるので結構助かる。
妊婦時代に教室をしていた時も、以前は自分が一人一人子供のそばに行っていたのを、あまり動けなくなり必要に迫られて意識的に身体は動かさずに言葉で説明する方法(自分は動かず子供に動いてもらう)に変えてみた。すると予想以上にそれが上手く行ったので、やり方次第で仕事の疲労度も変わるものだな、と思ったりもした。


3歳4ヶ月で入園した娘は、入園した当初はずっと「はやくおおきくなりたい、はやく4さいになりたい」言っていた。幼稚園に行くようになって、ほとんど自分より年上の園児達の姿を見て、いかに自分が何も出来ず無力なのかを知ったらしい。いきなり劣等感から始まる園生活もどうなのか、と少し心配したけれど、数ヶ月もするとだんだん言わなくなり、自分に合う相手を自然に見つけ対等に楽しむようになった。

年中になって、一番仲良しのお友達が1歳半年上の6歳の女の子になった。彼女の言動はすべて娘の憧れで、その子と仲良くなってから、娘の会話力もぐっと伸びた気がする。同時に言葉遣いやしぐさもその子そっくりになった。子供って少し年上の子供から、手っ取り早く色々なことを吸収するのだなとつくづく思った。

年長になり、年少→年中の進級時より、年中→年長になった時の方が、娘は園内での自分のポジション探しに戸惑っていたように見えた。今までの憧れのお兄さんお姉さんが急にいなくなって、今度は自分がその立場に置かれて、何を目標にしたらいいのか分からないようだった。それについて先生と話した時、「今後の社会ではそういう場面は何度も現れるので、この経験を積むことは大切なことです。」と言われた。
娘のクラスは年長の女子が少なかったのもあり、1つ年下の女の子2人が彼女の大事な友達になり、随分とお姉さんらしい振る舞いをするようになった。一人っ子の彼女は、幼稚園の縦割り教育の中で、妹役になり、姉役にもなり、兄弟姉妹の関係を学ぶ擬似体験をさせてもらえたと思う。


縦割り保育、横割り保育、それぞれに長所短所あると思うし、私には専門的なことは分からないけれど、自分が経験しなかった「縦割り保育」を娘を通じて体験し、良い意味で色々と考えさせられる機会を得られた。

縦割り教育は、集団の多様性を学び受け入れ、その中で自己を発見し形成するトレーニングになるように私には見えた。

個人主義の国ドイツでは、自然な教育方法かも知れない。でも子供の年齢別能力が違うことで集団行動がしにくくなるため、グループ活動が多い日本では広く定着しにくいシステムなのかも知れない。

ドイツは幼稚園は縦割りだが、小学校からは年齢別のクラス分けになる。でもこちらでも例外的にモンテッソーリの小学校は1年生~4年生(ドイツの小学校は4年生制)まで、同じ教室で学ぶ縦割り教育をしている。同じ室内で学習しながら自主性を重んじたカリキュラムが組まれていて、あえてそうされているからには、きっと利点も沢山あるのだと思う。


冒頭の絵は、娘が5歳の時に夏休み明けに久しぶりに会った幼稚園の友達を描いたもの。明らかに年少の子も一緒に自然に描いているのが面白いなと思った。

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by mikimics | 2017-08-09 17:58 | life with kids | Comments(0)